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松江 秀明; 米澤 仲四郎
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 257(3), p.565 - 571, 2003/09
被引用回数:7 パーセンタイル:45.77(Chemistry, Analytical)中性子即発線分析(PGA)は、他の方法では困難なH,B,N,S等の軽元素を含む多元素を非破壊で定量することができる。PGAの元素定量法として、元素の相対感度比を検出効率で規格化して求められた汎用的な校正係数(k係数)によって多元素を定量するk法を開発した。JRR-3Mの冷及び熱中性子ビームを使用し、Clを内標準とする27元素のk係数を3%の精度で測定した。得られたk係数の正確さを、(1)他の施設で測定された係数との比較,(2)計算値との比較,(3)標準物質の分析によって評価した。その結果、大部分の1/v元素では10%以下であった。Cd,Sm等の非1/v元素は中性子スペクトルの影響を受け、装置間で10%以上の違いが認められた。今後これらの元素について中性子スペクトルの補正法の開発が必要である。開発したk-PGA法を各種標準物質の分析に応用した。
松江 秀明; 米澤 仲四郎
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.125 - 129, 2003/01
被引用回数:8 パーセンタイル:49.8(Chemistry, Analytical)k-中性子即発線分析法(k-PGA)は、内標準法に基づき、比較標準試料を使用しないで多元素を正確に定量できる。われわれはk-PGAの検討を行い、27元素のk係数を測定してきた。k係数は他の施設でも共用でき、核データからも計算可能である。しかし、現在利用可能な核データ集としてLoneのデータがあるが、十分ではない。このため、昨年度よりIAEAの主催する国際共同研究「中性子即発線分析のためのデータベースの開発」においてk係数の測定,及び必要な核データの評価が始められた。その一環として、ハンガリー同位体及び表面化学研究所(IKI)のグループが79元素のk係数を報告し、また、ローレンス・バークレイ国立研究所(LBNL)及びIKI共同で軽元素の核データが公開された。本研究では、演者らの測定値とIKIのk係数,LBNL-IKI及びLoneのデータから計算したk係数を比較しk係数の正確さの評価を行った。
間柄 正明; 米澤 仲四郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 411(1), p.130 - 136, 1998/00
被引用回数:24 パーセンタイル:85.13(Instruments & Instrumentation)ホウ素の中性子誘起即発線は非常に幅の広いものとして観測され、多くの元素の即発線と重なる。そこで、中性子誘起即発線分析によるホウ素定量のためのピーク分解法を開発した。本研究では、幅の広いピークがガウス関数の積分であらわされると仮定し、非線形の最小二乗法を用いてホウ素の幅広いピークと妨害ピークを分離した。この方法を、ホウ素とNa,Ni,Coのうち一つ又は二つの元素との混合物の分析に適応し、この方法の正確さと検出限界を、この方法の分析結果とreference line法の結果及び混合物を作る時に添加したホウ素量と比較することにより確認した。その結果、この方法が妨害元素を含む試料のホウ素の定量に有効であることが確認でき、さらに適応限界を決定することができた。
米澤 仲四郎; 松江 秀明; 星 三千男
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 215(1), p.81 - 85, 1997/00
被引用回数:14 パーセンタイル:72.17(Chemistry, Analytical)中性子即発線分析法(PGA)による環境試料中の多元素定量の研究を行った。JRR-3M冷及び熱中性子ビームガイドの即発線分析装置を使用し、比較法により21元素(H、B、C、N、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Mn、Fe、Co、Cd、Sm、Gd、Hg)の定量法の検討を行い、種々の環境標準物質の分析を行った。標準物質の分析結果、生物試料中のH、C、N、Clを除き、本法の精度、正確さは20%以下であることが明らかになった。種々の試料中の検出限界は、25~820ng/g:B、Cd、Sm、Gd、1.1~820g/g:H、Na、P、Cl、K、Ti、Mn、Co、Hg、0.031~10%:C、N、Mg、Al、Si、P、Ca、Feであった。本法を、INAA、ICP-MSとともに、ペルシャ湾岸地域の海洋環境試料分析に適用した。
米澤 仲四郎
Analytical Sciences, 12, p.605 - 613, 1996/08
被引用回数:27 パーセンタイル:71.49(Chemistry, Analytical)冷中性子ビームを使用した即発線分析法(PGA)による多元素定量法を確立し、各種標準物質の分析に適用した。JRR-3Mの冷中性子ビームポートに設置した即発線装置を使用し、比較法によりH、B、C、N、Na、Al、Si、S、Cd、Gd、Hg等21元素の定量法を検討し、岩石、生物、堆積物(池、河川、海洋)、石炭、石炭灰、頭髪及び環境試料等の各種標準物質の分析に適用した。これらの標準物質の分析結果からPGAの精度、正確さを評価した結果、大部分の元素はほぼ20%以内の精度及び正確さで定量できることを明らかにした。さらに、各種物質中の元素の検出限界は、B、Cd、Sm、Gd:ppbレベル、H、Na、S、Cl、K、Cu、Ti、Mn、Fe、Co、Hg:ppmレベル、C、N、Mg、Al、Si、P:%レベルであることも明らかにした。
米澤 仲四郎; 松江 秀明; 黒沢 達也*; 笹島 文雄; R.P.Putra*
2nd Int. k Users Workshop Proceedings, 0, p.129 - 133, 1996/00
日本原子力研究所では、JRR-2、JRR-3M、JRR-4の3基の研究用原子炉が稼動中であり、日本国内の中性子放射化分析に利用されている。これらの研究炉は、熱出力3.5~20MWと高出力で、熱中性子束10n・cm・s以上の中性子照射をすることができる。発表者らは、JRR-2とJRR-3Mを使用し、法に基づいた中性子放射化分析用コンピュータープログラムKAYZERO/SOLCOIによる多元素定量の検討を行った。中性子照射は、JRR-2気送管(Pn,f=6.510n・cm・s)とJRR-3M放射化分析設備(PN-3,f=1.910n・cm・s)で1~10min行った。法による分析を行うため、Al-CoワイヤーとZr箔を照射し、照射場の特性測定を行うとともに、各種標準線源を用いてGe検出器の校正を行った。線スペクトル解析はSAMPO90を使用した。海洋生物、石炭灰及び岩石等の標準物質と各種元素の標準試料の分析を行い、法の精度及び正確さの評価を行った。
米澤 仲四郎; A.K.H.Wood*
Analytical Chemistry, 67(24), p.4466 - 4470, 1995/12
被引用回数:36 パーセンタイル:80.4(Chemistry, Analytical)中性子放射化分析により、各種物質中の微量ホウ素の非破壊定量を行った。試料100~250mgをJRR-3Mの冷中性子または熱中性子ガイドビームで照射し、発生する478keV即発線測定によりホウ素を定量した。試料中のホウ素含量を正確に定量するため、試料サイズの影響、試料中の水素の影響、他元素等の妨害について詳しく検討を行った。確立した方法により、岩石、植物、動物、石炭、石炭灰、堆積物、各種環物質及び原子炉材料等の各種標準物質中のppm~ppbレベルのホウ素の定量を行い、中性子即発線分析の精度、正確さを求めた。本法によるホウ素の検出限界は、黒鉛及びベリリウム中10~20ppb、海洋環境試料中130~260ppb及びその他の試料中50~120ppbであった。
米澤 仲四郎; 間柄 正明; 星 三千男; 伊藤 泰男*
Proc. of Int. Trace Analysis Symp. 94; ITAS 94, 0, p.81 - 84, 1994/00
JRR-3M冷及び熱中性子ビームガイドに高感度、低線バックグラウンドの即発線分析装置を設置した。冷中性子ビームにおける73元素の分析感度と検出限界を測定した結果、B、Cd、Sm、Gdが最も分析感度が高く、検出限界はngレベルである事が分った。冷中性子ビームを使用し、H、B、C、N、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Mn、Fe、Co、Cd、Sm、Gd、Hg等21元素の定量法の検討を行い、岩石、生物、堆積物(池、海洋、河川)、石炭、石炭灰、頭髪及びその他の環境関係の標準物質の分析に適用した。これらの標準物質の分析結果から即発線分析(PGA)の精度及び正確さを測定した結果、大部分の元素はほぼ20%以内の精度及び正確さで定量できる事が明らかになった。更に、各種物質中の元素の検出限界を求めた結果、B、Cd、Sm、Gdはppbレベル、H、Na、S、Cl、K、Ca、Ti、Mn、Fe、Co、Hgはppmレベル、C、N、Mg、Al、Si、Pは%レベルである事が分った。